「医療を変える、社会を変える医療者たちのアイデアピッチ in東京」に参加して
今日の午後は別のイベントに参加した。
タイトルは「医療を変える、社会を変える医療者たちのアイデアピッチ in 東京」(CHL学科6期生のアイディアピッチ)
このテーマに惹かれて参加したのだが、そもそも主催者の事、CHLとは何かという事もあまり知らずに参加した。
今日の説明を聴いて理解した。
「OSがアップデートされた感じがする。」
小児科医の野崎英夫先生が始めた活動で、医療者を地域のジェネラリストとして育成するという活動だ。
ジェネラリストとは、フィジカル×ライフ×ソーシャルとの事。
医療者が地域に踏み出す突破力をつける研修であり、ソーシャルアクションを起こせる医師や看護師を育成する講座がCHLだそう。
医療専門職という固定化した思考を変える必要があり、物の見方や考え方をガラリと変える内容のプログラム。
・批判的思考
・複眼的視角 選択肢を沢山もっておこう。
・メタ視点 1対1の関係ではなく、1対nの関係だから。
この3つを徹底的に実践するそうだ。
マイプロジェクトを立てて地元に戻って実践、また戻ってくる
「OSがアップデートされた感じがする。」過去に参加された受講生の言葉。
医師をはじめとした医療者が目の前の課題に立ち上がる
今日の登壇者は11名の方々だった。
それぞれ5分間の持ち時間で課題と解決策についてプレゼンされた。どの様なテーマだったかを紹介する。
・過疎地域の薬剤師不足を解決したい(病院薬剤師)
・在宅患者の介護をしている家族ケアの取り組み(医師)
・リハビリロボットの専門家を育てたい(理学療法士)
・プレコンセプションケアを普及させたい(医師)
・独居高齢者等の事変を気軽に医師に相談出来る仕組み作り(医師)
・診療所を地域のサロン化する事で予防の意識を高めたい(医師)
・地域のセラピストネットワークを構築したい(理学療法士)
・グリーフケア(遺族ケア)を普及させたい(医師)
・未病、予防といった視点のメディアを作る(編集者)
・救急医療の質を高めたい(医師)
・診療所がLGBTの支援者になる(医師)
山形や島根、長野といった地方から参加されている方が多い印象。
それだけ、地方には課題が多いという事だし、地域を超えた繋がりが必要なのだろう。
なぜ私が八百屋を始めたのか
ピッチコンテストの後は、基調講演として、CHL1期生の塙 勝博先生が登壇された。
塙先生は、訪問診療医として地域医療に長年従事され、目黒区の駒沢公園の近くに訪問クリニックを開業された。
そして、この9月からクリニックビルの1階に八百屋さんをオープンさせた。
お医者さんが何で八百屋さんを経営?この意外性に誰もが疑問を持つだろう。
しかし、その経緯と提携(FC)された青果店の事を聞いて納得した。
まずは出店に至った経緯をご紹介する。そもそも一般人にとって医療機関や医師に健康相談をするのはとても敷居が高い。健康を維持するには「食」というテーマは不可欠。そこで考えられた。地域住民と医療とのタッチポイントがこの八百屋なのだ。そして、塙先生がFC第一号として加盟したのが旬八青果店(http://shunpachi.jp/)という急速に店舗数を増やしているベンチャー企業だ。
「新鮮・おいしい・適正価格」 旬にこだわる八百屋です。
八百屋は以前、街のコミュニケーションの場でもありました。そんな野菜や果物を専門で売る八百屋は、年々少なくなっています。一方、モノがあふれるこの時代だからこそ「旬の食材はなんなのか」「どんな人がどんな想いで作っているのか」「おすすめの食べ方はなんなのか」そんな会話が私たちの食をもっと豊かにしてくれる。 旬八青果店は、そんな想いから生まれた八百屋です。
旬八青果店では、新鮮でおいしいお値打ち価格の青果を目利きし、販売しています。農家の方々が一生懸命育てたおいしい青果を、おいしい状態で都市の食卓にお届けしたい。地方と都市をつなぐ八百屋として、東京都内に展開しています。出典元:旬八青果店
塙先生は、クリニックを開設する前より親交があった旬八青果店創業者の左今克憲氏(株式会社アグリゲート 代表取締役)と意気投合し、FC第一号として出店を決めたという事だ。
例えば往診の傍らで健康弁当を配達したり、いずれは八百屋さんに看護師や栄養士等が常駐して気軽に健康相談に応じる様なモデル。目指すビジョンは非常に高い視点を持たれている。
そして、医師がこの様な商売を併行する事で、思わぬ利点があったという。それは人材採用だ。医療職以外との面談をする事で塙先生の視点が広がったし、例えば八百屋のアルバイト採用した人材が医療(訪問診療)の仕事にも興味を示したり、といった相乗効果が起きているという。
まだまだ経営は赤字の様だが、塙先生はとても楽しそうに、ワクワクしながら話をされていた。(懇親会で挨拶したかったのだが、タイミングが合わなくて残念だった。)
他職種連携と予防医療
全体を通じて僕が感じたのは、他職種との連携、予防医療の浸透の2つに関する課題が多かった印象を持った。
そして、予防医療の分野では、例えば治療院を拠点とした行動変容のサポートや、健康に関する患者への啓蒙活動等、僕らの治療院業界でも担えるものではないかと思った。
その活動をする事により、治療院と医療、介護との連携にも繋がっていくのではないか。
今日は、午前中のデジタルハリウッド大学院での講義と、午後のピッチコンテストと、インプットのシャワーを浴びた気分だった。
北原先生が提唱する最新のITテクノロジーを活用した病院を核として地域社会をデザインする八王子モデル。
全国各地でちょっとした違和感や問題意識に対し個人で立ち上がろうとする医療者の皆さん。
この両者の取り組みは、一見対照的に思えるけど、相反する物ではないと思う。僕は患者の立場で、立ち上がっていこうと思う。
治療家が地域で持つ課題と、今よりも活躍出来る場や、新しい役割は何だろうか。
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一般社団法人メディカルスタジオ
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プロフィール
- 整骨院・治療院業界で17年。IT活用で業界活性化と価値向上を目指す活動中。始動 Next Innovator 2018(第4期)、中小機構BusiNest「アクセラレーターコース」受講。妻と2児の4人家族。趣味は自転車。
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