メディウェイズ創業までの歩み

ある柔道整復師との再開

10年以上前から知っている柔道整復師。何かあると彼からはよく仕事の相談を受けていた。ある時、転職したいという事で事務所に呼んで相談に応じた。そのついでに会議室で彼に施術をしてもらった。

マッサージとストレッチを丁寧にやってもらった。そのへんのマッサージ店の若いセラピストとは比べ物にならないくらいにうまい。何より優しい性格。施術を受けながら、今度は私の愚痴を聞いてもらった。

翌日、彼からLINEが来た。「首の調子はどうですか?」私のその後を気遣う内容だった。

嬉しかった。

やはり、治療家は、ここまで寄り添って存在価値が高まるのではないかと感じた。いままで10年以上、患者として治療院を受けた事はなかった。患者となって患者さんの気持ちを初めてリアルに知った。

そして起業へ

自己実現したい。自分の力を信じて事業を興したい。

昔からそんな想いを密かに抱いていた私は、彼を院長として雇い、会社を辞めて整骨院を開業した。

二人が理想とする治療院を創ろう。

開院2日目の写真

開院2日目の写真

院内の写真

院内の写真

いたばしプロレスはやて選手を招いたイベント開催(2017年7月)

いたばしプロレスはやて選手を招いたイベント開催(2017年7月)

待合室の様子

待合室の様子

厳しい時代を目の当たりにする

治療院業界は考えていた以上に厳しい時代。この「厳しい」という言葉に、いくつか意味を込めたい。

  • 競合が多く患者を奪い合っている。
  • 施術者の得意な事、患者が求めるものがバラバラ。
  • 口コミサイトは関係者が書いている。お金をかけた者が勝つ。
  • 患者は健康保険を使いたがる、施術者は本当は使いたくない。

誰にベクトルを向けて仕事をしているのか、本当に問われる時代になった。

患者が減って売上も減ると心が貧しくなる。患者の為というより、どうやって売上を作るかで頭が一杯になる。患者の身体を治したいので通って欲しいが、売上の為に通わせるという発想になってしまう。当時の私は、こんな気持しか無かった。

そして、この様な気持ちで経営者として院長に接した。その結果、院長は苦しんだと思う。なぜなら彼は売上というよりも患者の事を考えていたから。

その結果、私は整骨院の経営から手を引くことを決断した。

直営店舗の事業譲渡について(2018年3月16日)

患者の悩みを聞いて、それを解決するのが治療家の仕事。自分の業務範囲でなければ請けるべきではないが、患者を増やしたい為に、HPやチラシで「何でも治せる」と言ってしまう。

ネットやSNSの広告では、「たった1日で売上を○倍にする。」「患者が喜んで回数券を買う方法」「受付でも○万円が稼げる方法」そんな謳い文句が溢れている。

一般の患者は見ることがないかもしれないが、もし見たらどう思うだろうか。恐ろしくて僕は治療院を受ける気がしなくなるだろう。

廃業

2018年3月15日をもって廃業

広告ってもう誰も信じないのではないか・・・

今まで15年間という長い期間、治療院業界で先生方のサポートをしてきた。その中で、人柄も技術も素晴らしい治療家もいるし、ちょっと残念な人も沢山いた。

この様な仕事をしていると、友人からは良く、「○○が痛くて、良い先生を知らないか。」という質問も多く受けてきた。

そう。ネットの情報は正しい事もあれば間違った情報も多い。

とりわけ、お金を払えば上位に表示される仕組みは、広告システムとしては理にかなっていると思うが、治療院の広告としては良くないと思う。

先に言った者が勝つ。多くお金を払った者が勝つ。そんな空気が流れている様な気がするけど、患者さんの期待ばかり大きくしていないか。

例えば、

  • 完治率97.8%
  • ゴットハンド
  • あなたが最後に来る治療院
  • ここで治らなければ他でも同じ
  • 2年先まで予約で埋まっている

など、何処に行っても満足出来ていない患者に取っては、興味を持つ言葉が並ぶ。

根拠が示せなければ、これは誇大広告だ。業界の中で、その意識を持っていないと感じ、私は危機感を感じている。

今後の治療院業界はどうなるのだろう

資本主義社会では、どんな業種、業界でも競争原理は働いている。その原理があるから健全な競争が生まれ、消費者にとってはより良いものに変わっていく。

もし治療院業界で起きている競争が健全であったら、患者にとってより良いものに変わる。

健全な競争の中では、努力するものは優位に立ち、その反対は次第に消えていく。

その結果、より良い業界になるのではないかと思っている。

「患者の為になりたい、治したい」と切に願い、いつも目の前の患者の事を考えている治療家の先生。そんな先生には利益は後から付いてくるだろう。

良い結果を出して、患者さんに感謝されて、その結果より多くの収入を得る。当たり前のサイクルがクルクルと回れば、絶対に患者にとっても治療家にとっても良い業界になる。

社会の中で必要不可欠な業界になる。医師や他の医療者にも理解され、認められ、患者を紹介し合う業界になる。

私にしかできない事

この様に、治療家のサポートを14年以上やってきて、自分の患者になって、1年だけだけど自分でも治療院経営をしてきて、インターネットが好きでウェブサービスを作れる人物は、日本に何人いるだろうか。

そんな自分にしかできない事、やるべき事がある。

私が実現したいのは、透明度が高く、患者中心の医療サービス。そのための第一歩として、私の得意分野である治療院業界が変わる様なウェブサービスを立ち上げ進化させていく。

この夢を実現させていきます。

スポンサーリンク

プロフィール

小林 靖
整骨院・治療院業界で17年。IT活用で業界活性化と価値向上を目指す活動中。始動 Next Innovator 2018(第4期)、中小機構BusiNest「アクセラレーターコース」受講。妻と2児の4人家族。趣味は自転車。